医療の労働環境を改善する最新テクノロジー
昔から多忙な医療現場の労働環境においては、医療従事者が非効率な雑務の多さによって大変な疲労を被ってきました。しかし、近年ではAIなどのテクノロジーによる技術改革、働き方の改善が医療現場にも訪れています。
例えば、「電子カルテ」は一般的な紙カルテをデータベースに包括される情報・データとして、クラウド上に保存するものです。従来、患者1人の病歴や診療歴を確認する時、人力で大量のカルテの中から1枚を見つけなければなりませんでした。確認した後はカルテを戻しに行く、非効率な手順だったのです。一方、電子カルテならタブレットやスマホなどでも利用可能。患者名で検索すると目的のカルテが瞬時に見つかる為、保管庫に移動して人力で見つけたり、戻したりが一切不要となります。
そして、「回診支援ロボット」とは福島県立医科大学が手がけたロボットで、医師や看護師にしたがって院内で行われる診察・治療支援を行うものです。その際に生じる医療データもカメラ撮影後に保存し、院内ネットワークで共有されます。移動は全方向移動・特定人物の追従や障害物回避、患者との衝突事故などを想定した事故回避といったシステムが備わっているのです。
さらに、「入退院説明ロボット」は湘南鎌倉総合病院で実証実験が行われました。ロボットの顔であるタブレットで、入院説明・検査説明・退院アンケートの3種のいずれかのボタンを押して操作します。各々の目的地へ自立移動して案内や説明を行った後、再び元の場所へと戻る為、手間が増える看護師の時間が削減できるでしょう。