働き方レボリューション

「無理なく自分らしく働く」を叶えるために…

働き方改革が看護師のスキルアップに役立つ

働き方改革によって、看護師業界も残業が削減される動きがあります。事務作業の簡略化やIT機器の導入などにより、定時で帰ることができる看護師も増えつつあります。残業が減ったことで空いた時間ができ、この時間を活用してスキルアップをする看護師がいます。
中には、英会話教室に通ったり、研究分野の論文に挑戦したりする看護師も。看護師がスキルアップを図ることで、看護の質を高めることが可能になります。
患者の中には、日本語を母国語としない人がいることも珍しくありません。海外からの観光客が急病や事故のため、病院に来ることもあるでしょう。そのような時に、英会話ができると患者も安心できるし、誤解のない適切な医療を提供することができます。
また、新しい医療技術は海外から入ってくることも多く、英語ができると他の看護師より一歩先を行くことも可能です。看護師も医師のように専門分野を持ち、研究をする人が増えています。
認定看護師や専門看護師のような、ある分野のスペシャリストを目指す看護師もいます。論文を書き上げれば、学会で発表することも夢ではありません。看護師の多くは現場と研究を兼ねる為、仕事をしながら研究を進めることが難しいといわれてきました。
ですが、働き方改革によって、仕事に余裕を持つことが可能になり、研究に時間を割くことができるようになってきました。看護師が研究をすることで、医師とは違った視点で患者をみることができるでしょう。医師や他の医療職とも切磋琢磨することで、患者の生活の質を高めることにつながるのです。

看護師の働き方改革で変わること

2019年4月に施行された働き方改革関連法は、それぞれが個人の事情に合わせて働きやすくするための法律です。メインである3つの改革「残業の上限規制」「有給休暇取得の義務化」「労働時間の客観的な記録」を推進することで、個々が安心して働ける環境作りを目指しています。
働き方改革関連法では、原則として月45時間、年360時間以内の残業に収めることと定められています。超える場合でも、月100時間未満、年720時間以内にしなければなりません。また、有給休暇を年10日付与する場合、年5日の取得が必須です。
夏季休暇や年末年始休暇を定めている企業であれば、有給休暇はこれらと別に取得します。さらに、タイムカードなどを使った客観的な労働時間の記録も必要。出勤と退勤の時間を明確に、また客観的に記載できるものを用意しましょう。なお、ユニフォームなどへの着替えや研修の時間なども業務時間に含まれます。
看護師の働き方改革で特に注目したいことが「プレゼンティーイズム」の解消。プレゼンティーイズムとは、不調を抱えているにも関わらず仕事をすることで、生産性が低下したりミスを起こしたりする状態を指します。
看護師は力仕事が多く腰痛のリスクが高いため、厚生労働省で腰痛の予防対策マニュアルを作り、腰痛のリスクを回避するよう促しています。「患者の健康を守らなければ」という使命感から自分のことは後回しにしがちな看護師ですが、看護師がより働きやすい環境を作ることでプレゼンティーイズムを解消し、最終的に質の良い医療を提供できるようになるでしょう。